第17回環境化学討論会

更新 2008年5月17日

ナイトミーティング

神戸らしさを満喫しながらセミナー形式や自由形式でディスカッションしましょう。関心の高い測定技術,実態解明と解析・評価,国内・国際情勢にかかわる諸課題に加え,“環境化学の裾野を広げよう”を意図したものも企画しています。普段の悩みや疑問の解消,新たな視点,知識の導入,ビジネスチャンスなどをめざし奮ってご参加ください。今回のナイトミーティングは下表のような分類で行います。
      日 時: 6月11日(水)17:45〜20:30
      会 場: B〜F会場,303〜305,404,405,407会議室,地下1階リハーサル室会議室(詳細は当日ご確認下さい)
      会 費: 一般・学生ともに3,000円(当日4,000円)
なお,ナイトミーティングのみの参加はできません。また,当日申込は会場及び事前準備の都合によりお断りする場合があります。

【グループ分類表】

テーマは以下のとおりです。なお,内容等についてご要望は実行委員会にお知らせください。

グループ  対象テーマ 世話人代表 話題提供者  内 容
■■1 まずは腕を磨く■■
■ 1-1 「尿を測る−生体試料を用いた化学物質の曝露・健康影響評価」 井上嘉則(日本フイルコン)
森脇洋(信州大)
井上嘉則
松村千里(兵庫県)
鳥羽 陽(金沢大)
森脇 洋
平井哲也(大塚製薬)
原田浩二(京都大)
近年騒がれている花粉症,化学物質過敏症,金属アレルギー等の原因は,環境や食品等から知らず知らずの内に複合曝露された化学物質なのかもしれません。
本ナイトミーティングでは,化学物質の長期微量曝露による健康影響評価について,『尿の測定から何がわかるのか?』を主題として,楽しく活発な意見交換をしたいと思います。
環境中微量化学物質による曝露と健康影響,生体試料中の化学物質の測定等にご興味のあるかたの,参加をお待ちしております。
■ 1-2 「データベースによる同定・定量法(AIQS-DB)」 門上希和夫(北九州市大) 門上希和夫 全自動同定・定量システム(AIQS-DB)は,マススペクトル,保持時間及び検量線をデータベース化し,標準品を用いずに試料中の化学物質を測定する手法であり,GC/MS用のAIQS-DBが実用化されています。本ナイトミーティングでは,最も関心が高い「定量精度」,「定量性能の向上法」,実用化後に拡大している「適用範囲」などの紹介を受けた後で,本手法の発展に向けて議論する予定です。また,LC-MS用のAIQS-DBの開発についても議論したいと思います。
標準品を用いずにどこまで精確に測定できるか興味のある方,既に使っているがもっと上手く使用したい方,導入を検討している方,低コストで簡単に化学物質を測定したいと思っている方など,多くの方々の参加をお待ちしています。
■ 1-3 「環境センサで化学物質を探る」 有薗幸司(熊本県立大) 有薗幸司
澤田石一之(愛媛大)
片岡千和(カーバンクル・バイオサイエンテック)
大西良和(住友化学)
小林康男(エンテキスト)
岩橋 均(産総研)
各種抗体やin vitro反応を活用し,リアルタイムで各種環境試料の計測を可能とする環境センサが実用化されはじめています。これらのセンサリング(センサーで計測する)技術の最新情報を紹介頂き,今後これらを活用した環境化学物質の簡易モニタリングの可能性について情報交換したいと考えています。奮ってご参加下さい。
■ 1-4 「LC/MSで測る」 鈴木茂(中部大) 鈴木茂
佐々木和明(岩手県)
大井悦雅(島津テクノリサーチ)
LC/MSはGC/MSと並ぶ微量有機物質の分析技術として成長してきました。今回は定性分析(LC/Q-ToFMS/MSの活用),定量分析(多様な媒体におけるPFOS類の分析技術)に関する話題2つを中心に経験交流を行います。初心者の方の疑問にもお答えできるよう準備しております。どうぞご参加ください。
■■2 社会常識を高めよう■■
■ 2-1 「水環境中の残留農薬と農業の現場を語る」 須戸幹(滋賀県立大)

須戸 幹
川田邦明(新潟薬科大)

農業,農薬,水環境がキーワードです。ここ数年の農業政策と農薬の散布,水環境での動態とリスク,流出性と物性の関連などの話題提供あと,参加していただいた方の興味や成り行きに任せて(担当者としては無責任な言い方ですが)進行したいと思っています。
■ 2-2 「環境・健康リスクの主役は誰だ? -リスク研究のつながりを議論しよう -」 渡辺信久(大阪工大) 関澤 純(徳島大)
山崎邦彦(国環研)
吉田喜久雄(産総研)
渡辺信久
環境・健康リスクに関連する事項は,1)リスクの定量,2)便益とのトレードオフ,3)コミュニケーション,の異なる局面(aspect)を持つとの認識に立ち、これらのつながりをそれぞれの立場で議論したいと考えています。
この中では、環境リスクの評価やコミュニケーションを進める上での課題、リスク評価に対する地方自治体のニーズなどについての話題提供を予定しています。
■■3 理科常識を高めよう■■
■ 3-1 「腐植物質から見た環境研究」 後藤敦子(尼崎市衛研) 藤嶽暢英(神戸大,日本腐植物質学会副会長) 腐植(フミン)物質は,環境中に普遍的に存在し様々な機能を持つ天然有機物です。しかし,多種多様な性質から解釈が難しく,環境分野では厄介な夾雑物として捉えられることも少なくありません。ここでは,腐植研究の第一線の先生による情報提供(腐植物質と環境中の化学物質との関係について)のあと,日頃の疑問や苦い経験について意見交換し,腐植物質への理解を深めていただきたいと思います。
■ 3-2 「生理活性物質をはさみうち --バイオアッセイと機器分析--」 白石不二雄(国環研) 彼谷邦光(東北大院)
唐澤薫(アプライドバイオシステムズジャパン)
中島大介(国環研)
安川智之(兵庫県立大)
環境中の生理活性(毒性作用?)の測定とともにその原因物質を同定・計測できることは,環境化学者の究極の想いではないでしょうか?今回は,話題提供者の様々な生理活性物質の同定・計測にトライした苦労話を中心に,新たな分析機器を用いた生理活性物質の構造決定のお話やバイオセンサーの開発についてのお話を予定しております。
「従来の生理活性物質の探索法」「LC/MS/MSを用いた薬物代謝物の探索」「LC/MS/MS及びGC/ITMSを利用した河川水中エストロゲン活性物質の構造推定」「細胞操作技術と電気化学法を融合した単一細胞計測」
■■4 話題のネタを仕入れよう■■
■ 4-1 「有機ハロゲン化合物増殖中-ダイオキシン類のファミリーをどうとらえるか-」 塩崎卓哉(日本環境衛生セ)
松村徹(いであ)
塩崎卓哉
松村 徹
津越敬寿(産総研)
嶽盛公昭(島津テクノリサーチ)
松神秀徳(島津テクノリサーチ)
名久井博之(電源開発)
渡部 剛(電源開発)
当ナイトミーティングでは,簡易分析手法・機器分析手法を用いたダイオキシン類をはじめとする有機ハロゲン化合物への対応及び東アジアを中心とした最新動向を皆様と共有し,有意義な意見交換を行いたいと思います。日ごろ疑問に思っていることなどお互い話し合いましょう!
■ 4-2 「安心安全を脅かす化学物質を相手にした危機管理」 阿久津和彦(大阪府公衛研) 阿久津和彦
月岡 忠(長野県)
秋山由美(兵庫県)
伊藤光男(神戸市)
本ミーティングでは,「多成分一斉分析」や「危機管理」の面から,食品試料や環境試料中の化学物質(農薬等)の分析法に関するノウハウや戦略について,現場の第一線の方から話題提供して頂き,活発に情報交換していきたいと考えています。やや固いテーマですが,ざっくばらんな場だからこそ聞ける興味深い話も出てくるかと思います。お互い知恵を出し合い,「いざ」というときに役立つセンスを楽しく磨きましょう。
■ 4-3 「PCB廃棄物処理技術の技術発展」 早川健一(カネカテクノリサーチ)
加藤栄一(ネオス)

木田敏之(大阪大)
中地重晴(環境監視研究所)
田頭成能(神鋼環境ソリューション)

PCB廃棄物処理について,各種の処理技術が開発・運用され,また実際の処理が開始され数年経ちました。PCB処理の現状,技術,将来について,フリーディスカッションする予定です。
■ 4-4 「PPCP 環境に出た医薬品のゆくえを探る」 鑪迫典久(国環研) 鑪迫典久
山本裕史(徳島大)
中田典秀(京都大)
新野竜大(三菱安科研)
森 大樹(熊本県立大)
平井慈恵(国環研)
近年,環境中に放出された家庭用医薬品等の環境影響が懸念され,マスコミでも取り上げられ始めている。しかし実際の影響や動態については不明の部分が多い。今回は生態影響を中心に皆さんの考えを聞かせて頂きたい。
■■5 友達の輪を広げよう■■
■ 5-1 「Webサーバー,メーリングリストを利用した情報提供,情報共有」 熊谷哲(兵庫県立大) 中野 武(兵庫県)
大西行雄(環境総合研究所)
東島正哉(数理計画)
村瀬秀也(国環研)
ミーティングでは,メーリングリストやwebサーバーを用いた情報共有,情報提供に関して,この分野で活躍されている方から話題提供して頂き,活発に情報交換していきたいと考えています。インターネットを利用した簡易データベースの構築やデータベース共同制作の試みについての苦労話やノウハウなど,皆さんにとって参考になり,役立つ話が聞けると思います。
■ 5-2「東アジア諸国との連携、協力の現状と課題」 三木谷研一(神戸大)
古武家善成(国際エメックスセ)
三木谷研一
海外研究者,JICA研修生など
アジア各国の化学物質汚染について,各国を代表する研究者に現状の概説と問題点の提議をしてもらい,アジア全体で連携を深めていける可能性について討論していく予定です。

 

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